午前0時、魔法が解けるまで。






母と共に廊下に出て、そこで私は固まった。



「……あ、こんばんは。優衣ちゃん。お邪魔してます」



私から向かって右側からそんな声が聞こえて、私は壊れたロボットみたいにぎこちない動作で少しずつ振り向いた。



「お母さん明日のお昼には帰るわね〜。それじゃあ」



お母さんはさりげなく私の背中を押して、所在なさげに佇む薫くんの方に追いやった。






< 388 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop