午前0時、魔法が解けるまで。






「……本物?」



まさか本当に会えると思っていなかったから、私はぽかんと口を開けて薫くんを指さした。



「触ってみる?」


「いや、それは大丈夫です」



私の手を取って自分に触れさせようとする薫くんに、空いた方の手で待ったをかける。


階下からガチャガチャと扉の閉まる音を聞いて、私は再び口を開く。






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