午前0時、魔法が解けるまで。
私は由美子以外の女の子では美香くらいとしか一緒にいることはなかったから、女の子の間の噂話にはもっぱら疎いのだ。
「まあ……何はともあれ逢坂って、普通に生きてたらあんたには縁のない人種だろうからさ。目つけられたんじゃないみたいで良かったよ」
さっきの慌てぶりはどうやら私が不良に絡まれているのではないかと心配していたからのようだ。
私はありがとうと小さく言って、食堂に向かうべく荷物をまとめてカバンにしまった。