胸キュン、はじめました。
「あれー、澪ちゃんじゃん」
運動場でサッカー部がちらほら部活を始めようとする中、背後にある体育館の扉から顔を出したのは、松本先輩だ。
「あっ、こんにちは」
ぺこりと頭を下げて挨拶すると、先輩は私と同じようにぺこりと頭を少し下げて挨拶を返してくれる。
「そんなところで何やってんの?」
「あっ、サッカー部の見学をしてるんです」
「へー」
そう言って松本先輩はサッカー部へと視線を投げた。
「それってさ、あいつのこと見てるの? あの生意気なガキ」
先輩はあごでしゃくるようにして入江くんを差した、と思う。
「入江くんのことですかね?」
「そうそう、生意気な奴」
入江くんってば生意気って言われてますよー。先輩に横柄な態度ばっかりとるから敵を作っちゃうんだよ。
「そうですね、入江くんを見てます」
というか、入江くんだけじゃないんだけど。
松本先輩は「ふーん」なんて言いながら、脇の下に抱えるように持っていたバスケットボールを床にバンバンと叩きつけながら、再び口を開いた。
運動場でサッカー部がちらほら部活を始めようとする中、背後にある体育館の扉から顔を出したのは、松本先輩だ。
「あっ、こんにちは」
ぺこりと頭を下げて挨拶すると、先輩は私と同じようにぺこりと頭を少し下げて挨拶を返してくれる。
「そんなところで何やってんの?」
「あっ、サッカー部の見学をしてるんです」
「へー」
そう言って松本先輩はサッカー部へと視線を投げた。
「それってさ、あいつのこと見てるの? あの生意気なガキ」
先輩はあごでしゃくるようにして入江くんを差した、と思う。
「入江くんのことですかね?」
「そうそう、生意気な奴」
入江くんってば生意気って言われてますよー。先輩に横柄な態度ばっかりとるから敵を作っちゃうんだよ。
「そうですね、入江くんを見てます」
というか、入江くんだけじゃないんだけど。
松本先輩は「ふーん」なんて言いながら、脇の下に抱えるように持っていたバスケットボールを床にバンバンと叩きつけながら、再び口を開いた。