胸キュン、はじめました。
「ハヤテちゃんもなかなかいい案出してくれるじゃんね?」


そう言いながら、リイちゃんは口元に両手の拳を可愛く寄せた。


「そう?」


どこがいい案なのかもよく分からない。そう思う私とは裏腹な様子に思わず首を傾げた。


「だって分析は大事だよぅ! 澪ちゃんはまず、周りの男の子に目を向けてみるべきだと思うんだぁー」


アヒル口がまた可愛いリイちゃんとは打って変わって、私は眉間にシワを寄せながら腕を組んだ。


「向けてないかな?」

「えっ、向けてるつもりなの?」


リイちゃん、その言葉はなんとなくグサッときた……まぁ確かに、向けてるつもりもない、かもだけど。

かもってところに逃げ道作ってる感はあるけど。


「まぁ、何にせよハヤテちゃんと仲良くしてね」

「仲良くと言われても、元々話した事すら無いんだけど」

「だからだよぅ! ハヤテちゃんは言わば、澪ちゃんのパートナーなんだからね。パートナーとは仲良くしなきゃ、良い方向にも進まないでしょ?」


そーいうものなの? なんかよくわかんないんだけどけど……。


「分かった。頑張ってみる」


私の言葉にリイちゃんはにんまりと優しく微笑んだ。


< 19 / 176 >

この作品をシェア

pagetop