胸キュン、はじめました。
「この先、篠田がどういう相手を好きになるのか分からないけど、ああいう奴だけはやめとけよ」

「だからどういう奴なのか詳しく教えてほしい」

「あー、だから簡単にナンパしてくるような軽い奴。なんであんな奴が人気なのかは知らねーけど、あいつはダメだ」


なんか入江くんってば、お父さんみたいな事を言う。


「でも、松本先輩は私を見かけたから声をかけてくれただけでしょ？　良い人だと思うけどなぁ。私ならわざわざ声かけようと思わないけど、先輩は律儀に声をかけてくれたし」

「だーかーらー、篠田は危なっかしいんだって言ってるんだろ。そうやって声かけてくる奴がいい奴とは限らないだろ」


全く知らない赤の他人ならまだしも、松本先輩は私達と同じ学校の生徒で、さっき部活をしているところを見学してたんだから他人というわけでもないし。


「入江くんって、用心深いんだね」

「篠田が緩すぎんだよ」


えっ、そうなのかな？　よくわからないけど、とりあえずこれ以上この会話を続けるのは不毛だと思ってやめた。


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