嘘つきなキミ

点滴が終わった事を知らせる音がなった。
私はナースコールを押して看護婦さんを呼んだ。

少しして看護婦さんが来て、点滴の針を外して行った。

私は、看護婦さんにこうへいのところに行きたいとお願いした。
でも、今はICUにいるから面会が出来ないと言われた。

でも私は、こうへいにどうしても会いたくて、謝りたくて、ICUの前まで来た。

先生「あれ?こんな時間にどうしたのかな?」

あい「こうへいに...こうへいに会いたくて...」


俯きながらいった。


先生「ごめんね...こうへいくん今は面会出来ないんだ。明日には一般病棟に移るからその時に会ってあげて?だから今日は部屋に戻ってゆっくり休んでね。」

あい「はい。分かりました。」


私は、そのまま屋上へ行った。


あの時どうして、家を飛び出したんだろう。
あの時どうして、最後まで話を聞かなかったんだろ。
あの時どうして、すぐ家に戻らなかったんだろう。
あの時どうして...


もう言い出したらきりがないくらい後悔ばっかり押し寄せてきた。

泣いたって意味がないのに涙が次々と流れてくる。
涙が枯れるんじゃないかってくらいずっとずっと泣いていた。


涙が出てくるたびに、苦しいのはこうへいなのに...って罪悪感でいっぱいになった。


それでも涙は止まらず流れ続けた。







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