嘘つきなキミ
ーこうへいー
はやとの提案で花火をする事になった。
こうへい「今まで黙っててごめん...」
あい「ねえ、本当に今日で最期なの?」
こうへい「...ごめん。」
あい「そっか...」
こうへい「本当に楽しかったし、幸せだった。ありがとう。」
あい「こうへい...聞いてもいい?」
こうへい「なに?」
あい「こうへいは...あと、どれ位生きられるの...?」
え...?
あいを見ると俯いて洋服の裾を握り締めていた。
こうへい「んー、どうだろな。俺も分からないけどまだ、大丈夫だと思うよ。」
俺はまたあいに嘘をついてしまった...
あい「そっか...。こうへい?一つだけワガママいっていい?」
こうへい「うん。どうしたの?」
あい「抱きしめて...。」
あいの声が微かに震えていた。
こうへい「...わかった。」
俺は、思いっきりあいの事を抱きしめた。
こうへい「俺も...ワガママ言ってもいい?」
あい「いいよ。」
こうへい「嘘でもいいから...俺の事愛してるって言って...」
最低だと分かっていても、聞きたかった。
あいの口から...
あい「こうへい...?」
あいは体を離そうとした。
でも俺は離れないように抱きしめなおした。
そして、、
こうへい「ごめん...。」
それしか言葉が出てこなかった。
あい「...こうへい。本気で、愛してるよ。」
ビックリした。
でも...凄く嬉しく、そして悲しくなった...
俺は、我慢してた涙が溢れた。
それに気づいたあいは、抱きしめ返してくれた。
あい「愛してるよ。ずっとずっと。私待ってるから...だから、早く治して退院して来て...」
こうへい「...ごめんな。あい...ごめんな。」
謝る事しか出来なかった。
俺はあいを悲しませる事しか出来ない。
笑顔になんて、出来ないんだ。
そう思った。
俺たちは、抱き合ったまま泣き続けた。