二頭(二人の男)追うもの…バチが当たる
「バレたらどうするの?修羅場だよ!?」
「………」
「どっちか選べと言われたら、あんたはどうするの⁉ 選べるの⁉」
腕を組み厳しい顔をする小鈴。
選べない…
だって!
輝一君の見せるキラキラ笑顔がたまらない
子犬の様に甘えてくる輝一君がほんと可愛い
ベットでは思いの丈をぶつける様に
激しく抱いて何度もイカされる
あたしだけに見せてくれる男の顔
そのギャップが、たまらなく
可愛くて愛おしい
槇さんは、いつも優しく抱いてくれる
槇さんの体温に包まれるだけで安心する
輝一君の様な激しさは無いけど
大人のテクニックであたしをイカせてくれる
だから、抱かれるたびに思う
幸せだって
輝一君の時も幸せだと思うけど、槙さんにはまた違う幸せを感じるのだ。
二人の愛を離したくない
ホント私って欲張り
自分で言うのもなんだが
私は悪女だと思う。
そんなに器量が言い訳じゃ無いのに
ふたりのどちらを選ぶ事出来ないなんて
本当に悪いと思ってる。
でも…
本当にふたりとも好きなの
私には選べないの
ごめんね…?
もう少し待って?
きっと…答えを出すから
どちらか一人に…
輝一君…槙さんそれ迄待っててくれる?
勝手なこと言ってるって分かってるけど
二人には待ってて欲しい…
いまのあたしには選べない。これがあたしの正直な気持ちなのだ。
だから、半年もこんな生活をしているのだ。
あたしが何も言わずにいると、小鈴は溜息をついて夕飯の支度へと取り掛かった。あたしはその間、小鈴の可愛い息子、小鉄と遊んでやる。
小鉄はあたしにもなついてくれていて、いつも『めーちゃんつちゅき』と言ってくれる。
「小鉄、もう直ぐ3歳だね?誕生日プレゼントは何が欲しい?」
するとキッチンから「小鉄に貢いでもしかたないでしょう!」と小鈴に言われてしまう。