二頭(二人の男)追うもの…バチが当たる
別に貢いでるつもりは無い
小鉄の事は可愛いから
お祝いをしてあげたいだけ
「めーちゃんは小鉄の事好きだよ、小鉄はめーちゃんの事好き?」
「ちゅき❣」
ああなんて可愛いんだろう
食べちゃいたい
「小鉄、大きくなったら、あたしを嫁に貰ってくれ」
「断る!!」
ん?
返事をしたのは小鉄では無く、仕事から帰って来た、ここの家長で小鉄の父親だった。
先輩はいつも飲みにも行かず、仕事が終わるとまっすぐ帰ってくるらしい。
接待や付き合いは無いのか⁉
「もう帰って来たんですか?」と、ちょっとウザそうに言ってやる。すると「悪いかよ!?」と睨まれてしまった。
ほんとこの人
小鈴や小鉄を愛してるんだよねぇ
キッチンから戻って来ていた小鈴が「お帰りなさい」と言って先輩から上着を受け取り、先輩は「ただいま」とキスをする。
「ちょっと客の前でいちゃつかないでよ!」
「誰が客だ?嫌なら帰れ!」と言い、先輩は再び小鈴にキスをする。
あたしが居ようと、ふたりには関係無い様でいつもこれだ。
「ところで、アズキ?」
あたしはアズキじゃなくて、こまめだ!
何度言ってもこの人は直す気は無いらしい。あたしも最近では、突っ込むのも面倒になってやめている。
「輝一と付き合ってるんだって?」
「え?先輩、輝一君とそんなに仲いいんですか?」
まぁ先輩はOB会だけは、殆ど顔出してるようだから、輝一君の事知ってても不思議はない。でも、そんなに親しいとは初耳だった。