二頭(二人の男)追うもの…バチが当たる
「こまめったら、その輝一君って人の他にも、付き合ってる人がいるらしいの」
あー言っちゃった…
「アズキ、輝一の事本気じゃないのか!? 彼奴はおまえの事本気だぞ!」
「輝一君の事は本当に好きですよ…」
でも、槇さんの事も
好きなんだもん…
「だから、どんな仕事をしてる人か、知っておいた方が良いと思うの?この先の事を考えるなら?」
小鈴が心配してくれるのは分かる。でも、小鈴だって先輩が御曹司だという事は、結婚の話が出るまで知らなかったはず。
「ねぇ小鈴は先輩が御曹司で次期社長じゃなくて、ただのサラリーマンだったら結婚しなかった?」
「そんな事ない!私は、伊玖磨さんが好きだったから結婚したの!家柄とかは関係ない!」
「そういう事よ? あたしも、彼らが何処の会社で、どのポジョンにいようと関係ない。好きだから付き合ってる」
まだ、彼らにプロポーズされた訳じゃない。もし、プロポーズされたとしても、彼らがどこの誰だろうと、あたしには関係ない。好きなら結婚する。
ただ今は、まだ選べないけど…
あたしがそう言うと、小鈴は黙り、先輩は「輝一は良い奴だからな?」と言って、小鉄を私に預け着替えに向かった。
私の話はそれで終わり、夕飯はいつもの様に小鈴の手料理を楽しませて貰った。