二頭(二人の男)追うもの…バチが当たる

「いただきま〜す」

あどけなさの残る子犬のような彼は、輝一君 25歳。あたしの後輩らしく、昨夜のOB会にいたらしい。そしてあたしは酔った挙句、彼をお持ち帰りした様です。

はぁ…
何やってるんだあたしは
いくら日照り続きとはいえ
後輩をお持ち帰りするとは…
まぁ未成年じゃ無かったのは良かった

「こまめちゃん、食べないの?」

自分の仕出かしたせめてもの罪滅ぼしに、彼にコーヒーを淹れ、簡単に朝食を作ってあげた。

「あたしは、朝はコーヒーしか飲まないの」

「ダメですよ❣朝はちゃんと食べないと❣ほら、あ~ん、して❣それとも僕を食べたいですか?」と、首を傾げて微笑む輝一君。

僕を食べたいですか…とな?
これ以上の罪は犯せませんよ!
ああ、この上無い罪悪感…

「えーと名前…なに輝一君?」

「輝一で良いですよ❣」

「そ?それじゃ、輝一君?」

「はい❣こまめちゃんなんでしょう?」

こっこまめちゃん!?…

頬杖を付いてニッコリ微笑む輝一。

ああ…
私には、そのキラキラ笑顔が眩しいです。

「えーと…昨日の事は…」

「昨日のこまめちゃん、凄く可愛かったですよ?」

かっ可愛かった…?

言われ慣れない言葉に恥ずかしさを覚える。多分耳まで真っ赤だろう。

ぅわー顔が熱い
此の方、可愛かったなど、言われた事ない
めちゃ恥ずかしい…

「これからどこ行きます?」

「え?」

「デートですよ❣デート❣」

デート!?…

もぅ何年もデートと言うものをしたことが無い
ましてやこんな若くてイケメン君とデート…

思わず頬が緩んでしまった。

いかんいかん…
はっきり言わなくてわ!





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