楕円の恋。
『あっ影山君がボール持ってるよ』

圭子ちゃんが言った。

影山君が中央に立ち、ボールを持って地面に打ちつけて弾ませてはキャッチを繰り返していた。

よくあんな変な形のボールをバスケのドリブルみたいにできるな。

私は感心していた。

『ピーッ』

審判が大きく笛を吹いた。

影山君が高くボールを蹴った。

試合が始まった。

高く蹴られたボールは相手選手がキャッチをした。

その瞬間

大柄な選手2人がボールをキャッチした選手に体当たりした。

ラグビーは体当たりするスポーツとは知っていたけど、私は生で見てポカーンと口が開いていた。

『ね、ねぇ涼ちゃん。あれあんな大きな人がぶつかったら、交通事故だよね。』

圭子ちゃんが少し青ざめて言う。

私はまた無言で頷く事しかできなかった。

サッカーにも激しい接触プレーはあるけど、そんなレベルのものじゃなかった。

あかりちゃんもいつもの笑顔が消えていた。
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