楕円の恋。
『じゃあ15分ハーフな！負けたらGGダッシュだぞ！ピッ』

田中先輩チームのボールから始まった。

田中先輩は華麗なドリブルで片桐先輩チームの選手達を置き去りにして行った。

そして、田中先輩はゴールまで20メートルくらいのところで左足を振り抜いた。

『バーン！』

田中先輩が放った鋭いシュートはゴールポストの右側に当たってコートの外へ出た。

『ちっ』

田中先輩はよほどGGダッシュが嫌なのか本気だった。

すると、今度は俺の番と言わんばかりに片桐先輩がボールを持った。

片桐先輩は仲間にパスをすると、相手ゴール前まで駆け上がって行った。

そして、仲間からのふわっと浮いたパスに直接右足を振り抜いた。

バシュッ！！

片桐先輩のシュートがゴールネットを揺らした。

1対0

だが、この1点が田中先輩の闘志に火をつけた。

田中先輩のギアが一段階あがったような気がした。

田中先輩を片桐先輩が止めようとしたが、止めることはできなかった。

もう、誰にも田中先輩を止めることはできなかった。

結局1対3で田中先輩チームの勝ちだった。
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