楕円の恋。
ハーフタイム。

『影山君大丈夫かな?あれ一般人だったら確実に病院行きだよね』

いつも元気な圭子ちゃんが泣きそうに言ってきた。

日頃きついトレーニングをしている人達だからこそ、あんなに激しいプレーができるんだと私は実感した。

『あっ!選手達出てきたよ!』

あかりちゃんが言う。その視線の先には漆黒の10番が両手をぐるぐる回しながら立っていた。

よかった。怪我してないみたい。

私はホッと胸をなでおろした。

影山君はセンターラインの真ん中でポンポンボールを蹴っていた。

審判の笛がなり、影山君が高くボールを蹴った。

さあ。後半の始まりだ。
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