楕円の恋。
『はぁ、はぁ、はぁ、ま、にあった。』

私は倒れるように席に座った。

そして、カバンからお茶のペットボトルを出して、そのまま半分ぐらいゴクゴク一気に飲んだ。

あぁ、生き返った。

『涼ちゃんおはよ。髪ボサボサだよ。』

あかりちゃんが手で私の髪をといてくれた。

『あかりちゃんおはよ。ありがとう。遅刻すると思ったよ』

私は呼吸を整えて言った。

『今日影山君まだ来てないよ。珍しいよね。涼ちゃん何か知ってる?』

私は無言で首を振った。

いつも早い影山君がまだ学校に来ていなかった。
メールも昨日から返って来ていない。

影山君大丈夫かな?

やっぱり昨日の試合がショックだったのかな?

私はものすごく不安になった。

『ほら〜席につけHR始めるぞ〜』

先生が教室へと入って来た。

『今日休みは井上と清水。影山は遅刻するそうだ。』

先生が淡々と言った。

影山君遅刻なんだ。どうしたんだろう。

私は気になって気になってしょうがなく、

HRの内容は全く耳に入ってこなかった。
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