楕円の恋。
2時間目の授業が終わり、休憩時間。

ガラガラと教室のドアが開いた。

制服の上着とバックを左手に持って、右手は三角巾で吊っている影山君が入って来た。

『おはよ〜。』

影山君がだるそうに挨拶する。

『晴人!腕どうしたの!大丈夫?』

クラスの男子が駆け寄る。

『昨日応援ありがとう。ごめん負けちゃった。その時肩をやっちゃいました』

影山君がペコッと頭を下げて笑顔で言う。

そして自分の席に向かって歩いて来た。

『今井さんおはよ〜。応援ありがとう。ごめん、針千本探してたらメール返せなかった。』

『おはよ。影山君。大丈夫私が針準備するから』

私は笑って影山君の冗談を冗談で返した。

影山君はフッと笑って自分の席に座った。

私は後ろを振り返り、

『大丈夫?上着着れなさそうだけど、寒くない?』

私はわざとらしく心配した表情で問いかけた。

『えっ?そっちを心配するの?普通肩でしょ』

影山君は笑いながら言った。

その影山君の元気そうな表情をみて私も笑顔になった。

そんな2人のやり取りを見ていたあかりちゃんもニコニコしていた。
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