そのキスで、忘れさせて





遥希、軽蔑するだろうな。

それであたしは振られるんだろうな、なんて思えた。

あたしの思いはいつの間にか、あたしの唇から溢れている。





「やっぱり、住む世界が違うんだ。

あたしと遥希は釣り合わない。

遥希と付き合ったあたしが馬鹿だった」





みっともない。

まるで、負け惜しみのような言葉たち。

それでも、言わずにはいられなかった。

せめて最後に、あたしの思いをしっかり伝えて終わろうと思った。



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