そのキスで、忘れさせて
「ふざけんな!
なんでてめぇの元カレの服を着ないといけねぇんだ!!
俺にだって嫉妬心くらいある」
「……え?」
思わず顔を上げた。
すると、半乾きの髪をふわっとさせた遥希と視線がぶつかって。
遥希がやたらセクシーで。
真っ赤になってしまう。
「俺だって狂いそうだ。
あの男、お前にあんなことやこんなことをしたと思ったら」
呆然と遥希を見るあたしに、遥希は続けた。
「仕事のことは……マジで悪いと思ってる。
だけど、必ず付いて回る、恋愛っつーのが」
「うん……」