そのキスで、忘れさせて




「ふざけんな!

なんでてめぇの元カレの服を着ないといけねぇんだ!!

俺にだって嫉妬心くらいある」



「……え?」





思わず顔を上げた。

すると、半乾きの髪をふわっとさせた遥希と視線がぶつかって。

遥希がやたらセクシーで。

真っ赤になってしまう。





「俺だって狂いそうだ。

あの男、お前にあんなことやこんなことをしたと思ったら」




呆然と遥希を見るあたしに、遥希は続けた。




「仕事のことは……マジで悪いと思ってる。

だけど、必ず付いて回る、恋愛っつーのが」



「うん……」



< 110 / 384 >

この作品をシェア

pagetop