そのキスで、忘れさせて
「覚えてろよ。
次こそ絶対……
そんな遥希に言ってしまった。
「いいよ」
遥希は驚いてあたしを見る。
その驚いた顔すら愛しいなんて思ってしまうほど、気付いたらあたしは遥希に嵌っている。
「演技抜きでやってね」
わざとらしいあたしの言葉に、
「演技とか言うな」
超嫌そうな顔をする遥希。
そして、
「チンカスのせいで、寸止めもいいところだ」
アイドルは絶対言わない言葉を吐いた。