そのキスで、忘れさせて





「もう、戻ることはないよ。

今までありがとう」




あたしの言葉に、滅多に泣かない誠が涙を流していた。




これでいいんだ。

これで良かったんだ。

誠と戻ったとしても、悶々とした気分で過ごさないといけない。

だけど遥希に出会っていなかったら、あたしは誠を突き放すことが出来なかった。



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