そのキスで、忘れさせて






「あー……もう行かねぇと」




遥希はやっぱり多忙のようで、時計を見て嫌そうな顔をする。

そんなに忙しいのに、いつもあたしのために時間を開けてくれているんだと改めて思う。





遥希はため息混じりにあたしに告げる。




「マジで緊張した。

美咲があいつのとこ、行くんじゃねぇかと思って」



「行かないよ」




あたしは笑顔で遥希に言う。

なんだか今日の遥希は、余裕がなくて可愛い。



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