そのキスで、忘れさせて





「あたしを信じてって言ったじゃん」




そうだよ、あたしにはもう、遥希しかいない。




「美咲……」




遥希はまだ微かに紅いその顔で、あたしを見つめる。

その甘くて熱っぽい瞳に見つめられるだけで、あたしは狂ってしまいそう。





駄目だよ、遥希。

それ、わざとやってるの?





「マジでお前を抱きたい。

身も心も俺で満たしたい」



「なっ……何言ってるの!」





例え抱かれていなくても、あたしはすでに、身も心も遥希のもの。



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