そのキスで、忘れさせて
遥希はそのまま、笑顔で優子と話をしていた。
話の内容なんてもちろん分からないけど……
やっぱりあたしには堪える。
遥希、この人とキスしたんだと思ってしまう。
そして、優子に言ってやりたい。
遥希はあたしのものだって。
二人を見ているのも辛くて、
「泉、ごめん!
急用思い出した」
あたしはその場を走り去っていた。
遥希とは住んでいる世界が違うって分かっていたのに。
なのに、なんでこんなにもショックを受けるんだろう。