そのキスで、忘れさせて
こんな遥希を見て思う。
変わり身の速さはすごい。
そして、優子は遥希の本性を知らないのだろうか。
優子は相変わらず甘い目で遥希を見ながら、なんと遥希の隣にぺたりとくっつく。
……はぁ!?
遥希の話と違うんだけど。
優子、遥希のこと、好き好きオーラがヤバイんだけど!
なんてこと言えるはずもなく。
「でっ……では!
遥希さん、ありがとうございました!」
わざとらしく頭を下げ、逃げようとした。
まざまざと見せつけられているようだった。
優子とあたしの違いを。