そのキスで、忘れさせて





「もう、フリーだよな?

俺、帰っていいんだよな?」



「……え?」




優子は固まっていた。

口をパクパクさせながら。




「こいつ、俺のだから」






しーん……




黙って遥希を見る、優子とあたし。

優子は青ざめていて、あたしはドキドキしていて。

遥希は、いつものように勝ち誇った顔で笑った。

そして、優子は口元を押さえて走り去っていってしまった。



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