そのキスで、忘れさせて
遥希の宣言通り、朝起きたら遥希の姿はなかった。
せめて起きて送り出そうと思ったが、遥希の腕の中があまりにも心地よくて。
そのまますやすやと眠ってしまったのだ。
遥希のいない部屋は静かで寂しかった。
でも、不安はなかった。
遥希があたしを不安にさせないように、教えてくれていたから。
そして……
この家の合鍵をくれたから。
きらきら輝く銀の鍵を見たら、胸が熱くなった。
そして、また身体が甘い音を立てた。