そのキスで、忘れさせて
いつもは碧に釘付けのあたし。
だけど今日は碧なんかに構っていられなかった。
あたしの視線は遥希から離れられなくなる。
数時間前の出来事を思い出し、全身がぼっと熱くなる。
遥希は何事もなかったかのように、いつものにこにこ笑顔を見せているけど……
甘い吐息、熱い唇、そして、あたしを狂わすその身体を思い出して真っ赤になった。
そして、あたしの身体の中心はまだ微かに熱を帯びている。
冷静になると、やっぱり信じられない。
なんで遥希なんて人と……
ただ、これがどんな運命の悪戯であっても、あたしは遥希から離れられなくなったのは確かだった。