そのキスで、忘れさせて





だけど遥希は、



「ごめんとか言うな。

お前に謝られると、マジで切なくなる」



自虐的に笑った。

その切ない笑顔が、きゅーっと胸を締め付けた。





遥希のそんな心の内、あたしは知らなかった。

知らなかったけど……

だけど、言わせてほしい。

遥希がすごいってこと!






あたしは遥希をしっかり見据えた。

そして、ゆっくりと言葉を紡ぐ。




「Fもカッコイイけど、遥希はもっとカッコイイよ」





遥希を元気にさせたい。

そして、伝えたい。

< 189 / 384 >

この作品をシェア

pagetop