そのキスで、忘れさせて
「イライラしても、テレビの前ではTODAYの遥希のままだし。
今朝の番組でも、すごく空気読んでいて……
Fも遥希が担当してくれて、やりやすかったと思う」
遥希は口をぎゅっとして、あたしを見る。
あたしだけが知っている、遥希の表情だ。
「ドラマもね、本当に感動する!
本気で優子に嫉妬するくらい、役にハマってる!
それに……
コンサートは行ったことはないけど、次は絶対行きたいし……
遥希に会うまでは、遥希は本当に爽やかアイドルだと思ってたし……」
「ありがとな……
「だから、そんな風に落ち込まないで欲しいの。
自分を悪く言わないで欲しいの。
遥希はみんなを感動させたり、元気にしているんだから!」