そのキスで、忘れさせて
如月ユイカは、もちろん知っている。
現在勢いのある女優の一人。
背が高くて、美人で。
やっぱりあたしとは月とスッポンだ。
「え?有名だよね?
遥希と如月ユイカが付き合ってるって」
何それ。
そんなこと、知らない。
「結婚秒読みだけど、事務所が許可しないとか」
これ以上、聞きたくない!
だって、遥希はあたしのものだもん。
如月ユイカはきっと元カノ。
遥希は経験人数六人とか、聞いてもないのに言っていたし。
あの頃は、こんなにも遥希にのめり込むと思っていなかった。
一ヶ月も経っていないのに。