そのキスで、忘れさせて




「格闘ごっこか?」



遥希の言葉で我に帰り、



「そうそう!

仮面ライダーみたいに……」



苦しいギャグで乗り越えようとしたあたしは、



「……なわけねぇだろ!」



思いっきり突っ込まれた。




おずおずと遥希を見上げる。

遥希は笑っていいのか心配していいのかといった顔であたしを見下ろしていて。




「お前、想像以上にすげぇな」




いつもの俺様口調で豪語する。


< 208 / 384 >

この作品をシェア

pagetop