そのキスで、忘れさせて
「それで、なんで側転になる?」
遥希はあたしの話を聞き、あきれたようにあたしに言った。
あたしは真っ赤な顔で遥希を見る。
「お前のパンツを見た男全員、ぶっ飛ばしてやる」
「はぁ?」
「だってそうだろ?
ドレスで側転するっつーことは、パンツ丸出しだろ?」
「……なんでそうなるの?」
あたしはため息をついた。
だけど、遥希がいつも通りで安心した。
あたしの前ではTODAYの遥希じゃなくて、素の遥希でいてくれる。
それに、遥希は怒るかなと思ったけど、たいして気にしている様子もなくて。
TODAYが嫌だとかいう話を聞いた後だったから、心配になっていたのだ。