そのキスで、忘れさせて
「余興は二人で何とかしよう」
遥希はあたしに言ってくれた。
「数時間あれば十分だろうけど、仕事もあるし」
数時間あれば十分?
そんなはずはない。
という言葉が口から出かかった。
それでも、忙しい仕事の合間を縫ってあたしに付き合ってくれる遥希には感謝してもしきれない。
「側転は?」
あたしの言葉に、
「馬鹿かお前」
遥希はさも嫌そうに顔を歪める。
そして、
「浮気男にもパンツ見せる気か!
それなら、茶色のパンツ穿いていけ!」
訳の分からないことを言われた。