そのキスで、忘れさせて






「何なのって言われても……なぁ」




彼らは困った顔をする。

そして、渋々教えてくれた。




「俺の後輩の元カノも美咲って言うんだ」





どきん……




心臓がひときわ大きく鳴った。

背中を嫌な汗が流れる。




それってまさか……

誠のこと?





「奴、美咲に惚れてるのかと思ったら、後輩とやっちゃって。

妊娠させたらしい」



「……え?」




あたしは口をぽかーんと開いていた。

あたしの隣で泉が何か言おうと口を開いたので、慌ててそれを制止させる。




< 225 / 384 >

この作品をシェア

pagetop