そのキスで、忘れさせて
なんでそんなことを言ってしまったのだろう。
遥希があたしを大切にしてくれていたのはすごく分かる。
仕事の合間にラインや電話をくれるし、今日も飛んで来てくれた。
そして、全身で愛してくれる。
それなのに……
アルコールが回ったあたしは、嫉妬心の制御が効かなくなっていた。
あたしは遥希を睨む。
「あたしは女優さんみたいにスタイルも良くないし、可愛くもない!
こんな女に遥希が本気になる訳ないよね」
「……まだ言ってんのかよ」
遥希はやっぱり嫌そうな顔をする。
だけど、あたしは負けない。
「どうせ比べてるんでしょ?
他の女性と。
……如月ユイカと」