そのキスで、忘れさせて





「大人びてると思ったら、抜けてたり。

人のこと、考えすぎなほど考えるし。

真面目で一生懸命だし。

美咲に会えば会うほど、離れられなくなっていく」




あたしは遥希の手に、自分の手を重ねる。

大きな愛しいその手を、絶対に離したくないと思った。

少し目を細め、嬉しそうに笑う遥希。

この笑顔をあたしだけのものにしたい。





「責任取れよ。

俺をこんなに誘惑して」




その甘い声に狂わされる。




「どんな美女より、お前が欲しいんだ」




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