そのキスで、忘れさせて
待ち合い場所に近付くにつれて、鼓動が速くなる。
もちろん、ハルキを好きな訳ではないのだが。
好きではない、でも、付き合っている。
……本当に付き合っているの?
その事実ははっきりさせようと思った。
ただでさえ誠のことで落ち込んでいて、ハルキのせいでダメージを大きくしたくはないのだ。
ハルキを利用しようとして、返り討ちに遭うのはごめんだ。
予想はしていたけど、コンビニ横にハルキの姿はなくて。
ハルキに嵌められたのかもしれない、なんて思ってしまった。