そのキスで、忘れさせて
だけど……
「遥希が結婚してもファンが納得するようにするって……どうするの?」
思わず聞いていた。
そうなのだ、肝心なところを聞いていなかった。
アイドルの遥希のファンが許すはずもない、結婚なんて!
「覚えてたのかよ」
遥希は面白そうにほくそ笑んだ。
「メモ、いらなかったな」
そんな遥希に言ってやる。
「遥希が俺様腹黒意地悪キャラを暴露したら、納得されるかも」
「そうだよな、はは……なわけねぇよ!」
遥希にまるで漫才のようなツッコミをされた。
わざとやってるの、それ。