そのキスで、忘れさせて
遥希はすっごい変な顔をしていた。
綺麗なキッチンを見てから分かっていた。
遥希はきっと、料理なんて苦手だ。
だけど……
「ほら、朝の情報番組で毎日やってる俳優とかいるでしょ?
一気に家庭的なイメージアップだよ」
「そうか……」
遥希はなんだか納得してしまったようで。
「マネージャーに言って、当たってみるか」
すでに携帯を取り出している。
遥希の料理コーナー?
絶対に人気が出るに決まってる。
あたし、楽しみだよ。
のんきにそう思っていたあたしに、遥希は衝撃的なことを吐いた。