そのキスで、忘れさせて
そんな話をしているうちに、時間は飛ぶように過ぎて。
遥希が家を出る時刻になる。
「じゃ、行ってくるからな」
遥希はいつも通りの笑顔で言ってくれる。
そして、あたしも頑張ってと笑顔で送り出す。
なんだか本当に新婚みたい。
それにあたし、遥希との交際を前向きに考えてもいいんだね!
「美咲、ありがとな」
遥希はあたしに言った。
「お前のおかげで、俺は前向きに仕事が出来そうだ。
……お前のためなら、何でも出来る」
その言葉に、涙が出そうになった。