そのキスで、忘れさせて
遥希はいとも容易く料理コーナーに出るなんて言ったけど……
料理なんて全くの初心者の遥希と、「好き」程度の料理が出来るあたし。
あたしがどれだけ協力しても、無謀だと分かっていた。
……きっと、遥希も分かっているのだと思う。だけど、遥希は諦めたくないんだ。
あたしだって、諦めたくない。
遥希から離れたくない!
遥希に家庭的なイメージを付けるためにどうするのか、必死で考えた。
だけど、それ以上にいい案は思い浮かばなくて時間だけが過ぎて。
仕方なく夕食の買い出しに行った。