そのキスで、忘れさせて
結婚資金……その言葉を聞くと、顔にぼうっと血が上った。
遥希との結婚は、0パーセントだと思っていた。
でも、1パーセントでも可能性があれば、その奇跡に賭けてみたい。
それほどまでに、あたしは遥希に夢中。
「それじゃ、俺の店を協力者として流してくれるか?
一瞬、右下に小さく出るくらいでいいから。
人気コーナーになれば、お互いぼろ儲け」
「よし、乗った!」
あれだけFを嫌っていた遥希なのに、なぜか藤井さんと意気投合してしまって。
まだ番組すら決まっていないのに、二人で喜んでいた。
あたしはそんな二人を笑顔で見ていた。