そのキスで、忘れさせて
あたしの心も身体も、全て遥希のもの。
遥希が触れる、遥希が笑うたび、あたしに遥希が刻まれていく……
遥希の腕に抱かれ、心地よい余韻に浸っていた。
顔を見合わせて笑う、この時間が永遠だったらいいのに。
やっぱり好きだ、遥希が大好きだ。
「なぁ、美咲……」
遥希が甘く切なげに言う。
その声は溶けきったあたしの心を、さらに甘く溶かしていく。
あたしは黙って遥希を見る。
甘い視線が絡まって、きゅんと胸が疼く。
「まだ、だ」
相変わらず甘ったるい遥希。
その言葉だけで、あたしの身体は再び熱を持つ。
だけど……
「まだ?……三回目だよ?」
ドキドキしながら言ったあたしに、
「四回でも五回でもお前を抱きたい」
遥希は言った。