そのキスで、忘れさせて
「分かってる。
けど、俺はこいつと結婚しようと思う」
そう言った遥希に、
「えぇぇぇぇえ!!?」
一人大声を上げたのは、なんとあたしだった。
しーん……
気まずい沈黙が襲いかかる。
四人とマネージャーの視線が痛い。
そして何より、遥希からの殺気がすごい。
「てめぇ……どういうつもりだ?」
遥希は低く唸った。
「てめぇは遊びのつもりか?」
「ちっ……違うよ!」
必死に否定する。
遊びのはずがない!
もちろん、結婚出来ればと思うよ。
だけど、とっさにそんなことを言われると、びっくりしてしまう。