そのキスで、忘れさせて




「遥希、その娘怯えてるよ」



そう言う隆太に、



「うっせぇ、チンカス」



遥希は噛み付く。

本当に二人は仲が悪いのかもしれない。

思わず身を引いた。





だけど……

遥希は彼らに告げた。




「だから俺は、お前らに迷惑をかけるかもしれない」




四人は黙って遥希を見ている。




「でも……もう、後戻り出来ねぇんだ。

……すまない」





その遥希の言葉が胸に沁みた。

そして、プライドを捨ててメンバーに頭を下げる遥希を見て……

あたしも頭を下げていた。




どうか、お願いします。

遥希との仲を、引き裂かないでください。


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