そのキスで、忘れさせて
陸はプライベートには関与しないと言っていた。
五人はそんなドライな関係なんだろう。
だから、遥希に対してもドライな意見が飛び交うと思っていた。
だけど……
「ま、遥希が結婚でもすれば、俺たちのハードルも下がるんじゃね」
さほど興味なさそうに陸が言う。
携帯を触りながら。
「そこは遥希応援するよねー。
こっちも張り切って女の子と付き合いたいし」
勇人はなんだかチャラチャラした話し方をした。
四人を、遥希は黙って見ていた。
そして最後に、ありがとうと言う。
そんな遥希とともに、あたしもなんだかホッとした。