そのキスで、忘れさせて
「苦手なのはいいんだけど……
明日の歌番組、如月ユイカも出るらしいよ。
歌出すんだって」
ズキン……
胸がひときわ大きく鳴った。
なんで……
ここに来て、なんでそんな話まで聞かないといけないわけ?
部屋が一瞬静かになった。
修也はわざとらしく口を押さえる。
陸は鼻で笑い、
「修也、デリカシーないよねー」
勇人がやっぱりチャラチャラと言った。
「修也ってさー、カップル壊したいわけー?」
「ちっ……違うよ!
ただ、遥希君に忠告しようと思って」