そのキスで、忘れさせて








次の日……





仕事なんて手につかなかった。

遥希とあたしはどうなるのかと考えてしまって。

そして、遥希と如月ユイカのことが気になって。

定時に上がり、急いで家に帰った。

遥希の家に帰れば良かったのかもしれない。

だけど、なんだか遥希の家に帰る気にもならず、あたしの狭いマンションに戻る。

そして、おもむろにテレビをつけた。

ちょうど車のCMが始まり、笑顔のTODAYの五人が映る。

なんだかさらに胸が痛くなった。




こうやって目の当たりにすると、やっぱり思う。

遥希は、あたしなんかでいいのか?

もし、如月ユイカが遥希を諦めていなかったら……

どうなってしまうんだろう。

如月ユイカと遥希は、美しくて絵になる美男美女で、どうしてもお似合いだと思ってしまう。



< 304 / 384 >

この作品をシェア

pagetop