そのキスで、忘れさせて





そうこうしているうちに時間が経って、問題の歌番組の時間になる。

見たくない、見ないほうがいいに決まってる。

それでもチャンネルを切り替えられなくて、あたしはテレビに見入っていた。





それは、ゴールデンタイムに放送される、人気の歌番組だった。




出演アーティストの紹介が始まり、



「TODAYの皆さんです」



司会者に呼ばれると、いつものキラキラスマイルで手を振る五人。

テレビに映るいつも通りの遥希に、不覚にもドキンとしてしまう。

こうやって改めて見ても、やっぱりかっこいい。






このまま何もなく時間が過ぎて欲しい。

番組が終わったら、笑顔でお疲れ様と言いたいと願ってしまった。



< 305 / 384 >

この作品をシェア

pagetop